この記事のダイジェスト
踏み込み温床の作り方を説明します
初心者にもできる踏み込み温床を画像を使って説明します
踏み込み温床のメリット・デメリットや作る時の要点をわかりやすく説明します
踏み込み温床を使っていろんな苗を育てよう!
踏み込み温床を作ろう
春が近づいてくると、早く畑で野菜を作りたいなという人も多いと思いますが、野菜には栽培に適した気温や土の温度があります。
温床を作ることで、寒い時期に野菜に適した温度の苗床を作ることができ、外気が栽培適温に上がるまでの間に育苗ができるメリットがあります。
温床の種類とメリット・デメリット
温床は大きく分けて2種類あります
1つ目は電気を熱源にして土の温度を上げるもの
2つ目は発酵熱を利用して土の温度をあげるもの
踏み込み温床は、昔から存在する先人の知恵で、体力があれば、だれでも作ることができリーズナブルで自然の循環を利用した合理的で魅力的なシステムです
踏み込み温床の原理
踏み込み温床は発酵熱を利用し、土の温度を栽培適温まで上昇させ、寒い時期に外部とは別の環境を作りだすことに利用されます
発酵熱は自然に存在する菌や細菌が有機物を食べて、分解する過程で発生する呼吸熱によるものです
発酵に最適な状態をつくり出すことで、効率的に育苗に必要な発酵熱を得られる温床になります
発酵には炭素(C)と窒素(N)の比率と含水率が重要になります
具体的な数字で説明するとC/N比=25程度で含水率が60%の状態が菌は活発に活動でき、発酵熱が
発生・持続しやすい
C/N比が25以下だと発酵が早くなり、高温ですぐ終わってしまい調整がしずらい、アンモニアガスが発生し臭気がつよくなります
C/N比が25以上だと発酵が遅くなり、発酵の持続時間は長くなるが必要な温度まで上昇できない
C/N比が25程度がちょうどいい
枯葉や枯草のC/N比は50~100程度でそれを下げるためにC/N比が20程度の米ぬかやC/N比が7程度の油粕や鶏糞を使い25程度へ調整します
理屈はそんな感じだが、実際は枯葉や草にC/N比が書いてないので調整の具合は自分の感覚を信じてやってみるしかないのでやってみよう!
菌の生存活動と繁殖で炭素(C)や窒素(N)を消費しC/N比が低下したら発酵熱はなくなり発酵は終了になります、すると残ったものが堆肥として利用できます
踏み込み温床の作り方
作る人によって手に入りやすい資材や材料が異なるので自分に合ったもので作るのがおすすめです
ここでは毎年作っているMy温床の作り方を説明します
必要資材・材料
木枠 ・・・木でなくてもいいですが腐りづらい素材がいいです 参考 奥行50cm×幅90cm×高さ60cm
箱状の物であれば底がなくてもOK
熱が逃げにくいように木枠の内側に20mmの板状断熱材を張っています
枯葉
発酵させる主材の有機物で、使用量は45リットルの袋に7~8袋ぐらいは必要、
枯草や畑の残渣や藁なども使えるので、畑で採れる野菜以外の有機物が使えます
油粕
主材のC/N比調整剤で、10kgぐらい鶏糞(その他畜糞)・米ぬかでも代用可能で、
ホームセンターなどで購入でき、米ぬかは自動精米機が近所にあれば無料でもらえる所もあります
水
発酵に必要な水分です、含水率60%ぐらいが目安
作り方
木枠に枯葉45ℓ1袋を敷き詰め、水をかけて踏み固める、水の量は枯葉がビチャビチャと音が鳴るくらいが目安です、すると枯葉と枯葉の隙間の空気が抜けて体積がかなり減ったように感じます
上から油粕を全体に均等に落ち葉が隠れるくらい振りかけ、また踏み固める
その上からまた枯葉45ℓ1袋を敷き詰め水をかけて踏み固め、この工程を
枠いっぱいまで行い7~8層にする、枯葉のミルフィーユ状態
踏み込み温床と言うだけあってポイントはとにかく踏み続けることが大事。
最後にさつまいもを埋める土を5cmぐらい敷き完成
枯葉と油粕と水がなじむまで1~2日間は放置します
外気が寒すぎると温床の発酵が始まらないので、その場合は簡単なスイッチを入れてやると
発酵が開始しやすくなる
ペットボトルにお湯を入れて一晩埋めておくと熱が枯葉の菌に反応して発酵が促される
埋めたペットボトルが朝になっても温かいままになっている
外気温+20~30℃ぐらいが2ヶ月ぐらい維持できる
写真の場合は完成後1日おいてペットボトルを入れたので2~3日置けばもしかしたらペットボトルは
必要なかったかもしれないです
1日目の温度は10℃
2日目の温度は17℃
3日目の温度は23℃
4日目の温度は30℃
5日目以降は30℃前後が続きました
温床のサイズが小さいので外気温がぐっと冷え込むと温床温度も下がってしまいました
日中の気温が上がると、つられて40℃以上になるときもあるので、日中の温度管理はシートの開け閉めを含めまめに行わないと苗が焼けてしまう事があります
使い終わった枯葉は堆肥にして使いましょう
来年の土づくりに使います。
畑の土作り も参考にして下さい。
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